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崩れ行く川

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毎年、いろんな川に釣りに行くと、水害の跡を見かける。

最近は温暖化で、ゲリラ豪雨や台風のため水害が発生し易いのか、と思っていたのだが、何年も渓流釣りを続けていると、逆に水害跡を見ないことの方が、珍しいことに気付く。


災害規模の大小はあるにしても、大水による河川の損壊自体は頻繁にどこの川でも起こっている。

中には数年前のものもあるだろうが、川は毎年どこかは壊れているのではないだろうか。

全国的にはそれこそ無数に発生しおり、予算的にも、人員的にも手が回らない状況だろう。

増してや人が居ないような山奥では、壊れた川岸の補修などは後回しで、いつまでも壊れたまま放置されている。


今回入った川でも、住宅のある下流付近から水害の跡が残っていたのだが、上流に登るほど、その水害の跡ははっきりとしてきた。

まず最初に入った場所では、川の縁が削られて、なん本もの木々が倒れていた。

そのようなポイントを釣り上がるが、あまり魚の反応がない。

2時間ほどして、やっと1尾イワナを釣り上げたが、ここからと釣る気満々で進んだ先は大きなカーブになっており、カーブの外側は大きく水によって削り取られ、道路工事の現場のようだった。

そこを過ぎて、しばらく釣り上がるが、魚の反応は乏しく、諦めて車で源流近くまで移動することにした。


この源流付近も入川口からいきなり川が荒れており、かなり水が出たような雰囲気だったが、実際に進んでいくと2 、300メートルおきに激しく、川岸が削られた場所に出会した。

ひどいところでは、山が大きく削られて渓相自体が変わってしまっていたり、崩れた土砂や倒木によって川が堰き止められ、流れ自体が変っている所が何箇所もあった。


肝心の魚の反応の方はあまり芳しくなく、魚がいるようなポイントでもフライを確実に喰ってくるようなことはなかった。


2時間ほど釣り上がるとこれ以上進めないような大きな堰き止めがあった。

そこで釣りは諦めて戻ることにした。

地図で見ると登山道があったのだが、一向に見当たらなかった。登山道は水害で川岸の土壌と共に流されていた。

深くえぐられた登山道の跡らしきと川筋を交互に歩きながら戻った。

来年も渓流が荒れて行くのを止めることはできないだろう、と暗い予感がした。

(202409)





by rororon3rd | 2024-12-30 20:16 | トラウト釣行(東北地方) | Comments(2)
Commented by saitamasunosuke at 2024-12-31 11:40
はじめまして、全く同感です。私も今年、岩手北部の毎年行ってる川で景色が一変してまして、栗拾いをしてる女性に聞いたところ、お盆に酷い水害があったとか…良く考えたらニュースでやってた岩泉は隣町だった様で納得。もう数十年、夏休みは関東から東北北部でフライをやりに来ま
すが、ついこの間まで良かった川も来るたびズタズタで、またその河川工事のやり方も何も考え無く、重機を川の中まで入れて平らにしたり!泣きたくなる川ばかり、それでも稀に良い川に当ったり、しかしそう遠くない未来に渓流釣りと言うジャンルは無くなってしまいそうで寂しです。
Commented by rororon3rd at 2024-12-31 11:56
コメントありがとうございます。
今年は岩手県と新潟県で釣りをしました。そこで見たのも水害による被害と、その後の護岸、砂防ダム工事でした。
釣りマップで紹介されている支流に行くと工事で通行止めになっており、川の水は粘土色に濁っていました。また、積もった土砂を平らに慣らす工事も頻繁に行われており、山奥の本来清流であるにも関わらず。両岸コンクリート護岸に幅20メートルにわたって瓦礫を重機で慣らした川原が広がっているのを見て呆然とすることが何度かありました。
治水の知見はないため何が正しいかは自信を持って言えないのですが、過疎の山村では昔ながらの美しい風景が失われ、細切れのダムのような構造物が増えています。


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