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イワナの棲む階段

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二万五千分の一地図で眺めていた自身未踏の支流へ向かった。

支流沿いの林道を登って、道端の空きスペースに車を停めて、来た道を下流側に1キロメートル程戻った地点から入川した。

予想していたより木々が覆い被さっていて薄暗く、川原の石も苔に覆われているので、谷全体が暗い色だった。

どうにも陰気な感じがした。威圧的でもあった。まだ、朝が早かったこともあり、日差しは谷底に届いておらず、薄暗い中で釣りを開始した。

こんな薄暗い中で釣りをするのは久しぶりだ。最近は熊の出没が全国的に言われているので、あまり暗い時間帯に釣りをするのは控えていたのだが、今回の沢では待ちきれず、明るくなりきる前に川に入ってしまった。


釣り始めると増水気味の流れから魚の反応はなかった。

この沢はそれほど太くない流れが階段上の斜面を流れ下っているため、増水によりさらに流速は増していた。フライがすぐ流れてしまうため、イワナがいたとしてもなかなか喰いつけるような速度ではなかった。

場所を変えることも念頭にはあったのだが、やはりそれなりの時間やってみなければ、そのポイントのポテンシャルは分からないので、ニ時間はやろうと思って釣りを続けた。

自分で決めたニ時間いっぱいまで魚の反応はほぼ無かった。ただ、2回ほど魚の姿は見ることができた。相変わらず淵の一番下流側に着いており、私が近づくとキャストする前に魚は逃げた。光量的には薄暗く、そんな簡単には見つからないはずなのだが、魚の方は人間がやって来る方向がよく分かっているようだ。これはプレッシャーが高い川ではよくあることだ。

私にとって初めて来た陰気な川でも国道からそれほど離れておらず、車で登って来ることの出来るこの沢は、地元の常連達にとっては入り易い川なのだろう。


そろそろ二時間が経とうとした頃、特に何の工夫も無しに、普通の淵の中央付近から魚の反応があった。釣り上げてみると八寸を超えるイワナだった。

ここまで二時間奮闘して釣れなかったのが、どうして突如釣れたのか理由は分からないが、あっさり釣れたこのイワナは嬉しかった。

何故、こんなにあっさり出たのか、全く分からないが、強いて言えば時刻が午前8時を過ぎて、日差しが川を照らし始めていたのがよかったのかもしれない。

朝の時合だったのだろう。


その後、30分位の間に何回か当たりがあって、結局この沢では四尾のイワナを手にすることが出来た。

そうこうしてる内に車を停めた場所まで戻ったので、釣りを終えた。

私が車を停めているスペースの直下付近では、また当たりが無くなった。

やはり釣り人は駐車スペースの前後を釣ることが多いようで、駐車が出来るという事は、魚が釣られていると言うことなのだ、と改めて愕然とする当然の事実を認識した。

(202507)




by rororon3rd | 2025-09-22 20:54 | トラウト釣行(東北地方) | Comments(0)


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