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釣れない沢に迷い込む

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未だに分からない。

禁漁まであと2日と迫ったこの日、雨で釣りを断念した私はコメダ珈琲店でモーニングを食べながら、昨日のこと、7月のことを思い返している。


その支流を訪れたのは、おそらく今年の7月が初めてのはずだった。でも、訪れてみると入口付近の林道脇の空き地の、この景色は見た覚えがあった。

岩手県の川に通い始めた昨年にも訪れているのだ。なのに釣りをした記憶がない。もちろん動画も上げていない。でも、釣れなかったのは間違いない。この川に来ていて、釣れていれば動画を上げていないわけがない。

とすると、釣れない川に三度も行って、ボウズを喰らい続けたことになる。釣りに関しては几帳面だと思っていたが、ボウズの記憶を忘れて繰り返しこの川を訪れていたのだ。

他に行く川がないと言うなら分かるが、この水系ではこの支流以外はどの支流もよく釣れるのだ。釣りたいだけなら、行く必要のない川だと言っていい。なのに何度も行くのか。


一つは知らない場所で釣りたい、という拘りがあるのは間違いない。特に釣行動画をYouTubeに上げだして、その傾向は強くなった。同じポイントばかりでは、視聴者に申し訳ない、飽きられてしまう、といった妄想から少しでも新鮮な場所でカメラを回そうとしてきた。

今回もこの支流以外の川では魚を釣っていて、隣の支流で釣れないはずはないという確信から入ったのだ。

また、釣り券扱い所が支流の途中にあるのだから、魚を放流して無いわけはないだろう、という思いもあった。

しかしである。反応すらなかった。

周りの支流では魚の反応だけは頻繁にあるのにだ。

この川だけ反応はおろか、魚影すら見えないのである。


川のロケーションは最高に近いレベルである。

緩やかな斜面に照葉樹の河畔林が囲んでいる中を、落ち込みや淵を形成しながら、透明な水が多過ぎず少な過ぎず、流れ下っている。それこそポイントになりそうな箇所は、見えている範囲に数え切れないほどある。

他の釣り人の姿がないのが不思議なくらいなのだ。

シーズン初期に魚が釣りきられてしまったのか?

幾ら人気河川と言えど、魚が全くいなくなるほど釣りきられてしまうとは考えられないのだが・・・


いやはや、どうして釣れないのか、理由が分からない。まことに不自然である。

納得がいかない。

日々の仕事や家庭のことで忙しい方は、このようなどうでもいい、拘りを持ったりせずに、軽やかに釣れる川で楽しむだろう。それこそが正しいレジャーとしての釣りである。

ただ、私はもはや正道を外れた者なので、この拘りに拘り続けたい。


岩手県の大人気河川のある支流が釣れない理由はまだ判明していない。

でも次回、私がこの川を訪れる理由は明確である。

釣れないはずがない、ということを証明するために違いない。


すっかり冷め切ったカフェラテを飲み干して、席を立った。

202509




by rororon3rd | 2025-09-29 20:34 | トラウト釣行(東北地方) | Comments(0)


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