
午後も県道の補修工事によって通行止になっている先のポイントに入っていた。
この辺の渓流の人口密度といったら話にならないくらい低い。なのに今日も先行者がいる。頭上の道路をフィッシングベストにウェーダーを履いた完全装備のオッサンが、上流側から降りてきた。
うんざりして天を仰ぐが、午後2時を廻っている時刻である。今さら釣り場を変えることはできない。また変えたところでそこにも先行者が居ないとも限らない。ボウズ覚悟でこの沢で釣り続けた。
先行者が踏んだポイントではフライへの反応は皆無になる事が多い。しかし、今回は様子が違って魚の反応はあった。ただ、相変わらずフッキングする事が出来ない。
流す毛鉤にドラッグがかかっているのと、合わせが遅いせいだ。あと先行者の影響で魚がナーバスになっているのもプラスされているのかもしれない。釣れない要因はいくつも想起されるので、いつまでたっても根治しない病のようだ。
半時間ほどして、やっと小さなヤマメが釣れた。型は17センチほどで、午前中に釣ったポイントのレギュラーサイズと同じだった。
その後もパラパラと散発的にイワナとヤマメが釣れた。
フッキングしないバイトでは派手に飛沫を飛ばすのに、釣れる時は控えめなカメラには映らないようなバイトが多い。これも未だに解明できないフライフィッシングの謎である。

2時間半ほど釣り上がり、締めのヤマメをキャッチして釣りを終えた。
下流側の県道ではまだ工事中で通行止めが続いている。
川の源流方向に向かい、山を越えて、隣町へ抜けることにした。
谷には山影が広がり始めていた。
(202509)