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最終週の楽園上流

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前を走るジムニーを追いかけていた。

ちょうど目的の支流に曲がろうとする交差点の手前で前を行くジムニーに気付いた。

今回はこの支流の上流に入ろうとしていたので、追いかけるつもりはなかったのだが、自然追いかけるような形でダートを5キロ以上走り続けていた。

いつも入っている小口の馴染みのポイントには、夫婦らしい釣り人が入っており、祭日らしく今日は沢山釣り人が入っているようだ。時刻は午前10時を廻っていたので、この前を走るジムニーだけではなく、もっと上流には先行者がいるかもしれない。

ずっと上がって行くつもりだったのだが、枝川との分岐点まで来ると、今まで以上に一層ぬかるんだドロドロの荒れた路面が現れた。ここで私は追跡を諦めた。

この5キロの間で最初の夫婦以外の釣り人はいないので、もうこの辺で釣ろうと思った。

ジムニーは上流の方へどんどん進んで去って行った。

自車を方向転換して戻りつつ、途中で見つけた空き地に乗り入れた。


空き地から川原に降りることの出来る釣り人道が付いていたので、川には容易に立つことが出来た。

釣り始めると初めて来た場所かと思っていた入渓点が、過去にも釣り登ったことがある事に気付いた。


魚の反応はない。やや増水気味の流れは、時折コンクリート護岸がある他は、雰囲気は悪くないのだが、毛鉤への反応自体は良くなかった。

そこから1時間ほど釣り上がるがほとんど反応はなかった。ただ、瀬渡りしている時に魚が逃げるのが見えるので、魚がいないと言う事は無い。

さらに半時間経った頃、最初の一匹が普通に瀬の脇の淀みから釣れた。特に何か工夫したわけではなかったが、たまたま場所が良かったのだろう。

時刻も午前11時半を回っていたので、時合なのかもしれない、と思って気合を入れるが、案の定それ以降も連続して釣れるような事はなかった。


先程、転回した枝川との分岐点までやって来た。

ここで淵尻に着いた大きなイワナが見えた。フライにも反応した。

これは好機と思いリキャストするが、イワナはフライを咥えたものの軽い手応えだけを残して、アッサリ鉤は外れた。

これでガックリきた。

その後も大きな魚を2回ほどかけたが、バラしが続いた。

ただ、出合いから上流側は状況がよく、かなりバイトして来る魚は増えていた。

3時間ほど釣りをして結局追加して三匹釣ったところで釣りを終えた。

この先、もっとやろうと思っていたのだが、一度車に戻って昼飯を喰ったらやる気がなくなった。

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遠征の初日はこんなものだろう、と安易に妥協した。

釣りに来る前は、徹底的に釣りをやり切る覚悟だったのに、1日目に厳しい現実と対峙した結果、いつもの逃げ癖が出てしまった。

(202509)



# by rororon3rd | 2026-01-06 19:34 | トラウト釣行(東北地方) | Comments(0)

つ抜けしたけど、二度と行きたくない川

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暑くなりそうな夏の日だった。

釣りで立ち寄ったことのないイーハトーブ中央部の山間に居た。

前日に偵察を終えていたので新たに入る河川の入川口は分かっていた。午前6時半に川の斜面を下った。

ある程度の予想は出来ていたのだが、思っていた以上に木々が密集しており、朝の太陽光はほとんど届いていなかった。まだ気温が上がりきらない、薄暗い森の中で釣りを始めた。


流れている川の水は少し葉土が混じったような色をしていた。川底も岩盤と言うより、泥と砂の中間位の土壌だった。

あまり好きなタイプの川ではなかったが、大多数のフライマンにとっても同じなので、この川に来るフライマンの数は少ないだろうと想像がついた。そうであれば、魚さえいれば爆釣もあり得ると考えていた。

入川してしばらくの間はほとんど魚からの反応はなかったのだが、それ程間を置かず反応が出てきた。

1回目は水柱を上げるような激しいバイトがあったのだが、鉤にはかからなかった。しかし、5分ほど経つと別のポイントからヤマメが飛び出した。川の雰囲気は辛気臭いのに出たヤマメのバイトは反対に派手で激しい。こんなに一直線にフライに出て来るという事は、この川の魚はスレてないという事だった。予想通り訪れる釣り人は少ないのだろう。


本当に入りたかったパートの橋からの入川口付近には駐車スペースがなかったので、下流まで戻って車を停めたため、お試し感覚で入った区間だったが、最初の1匹目の後、10匹近いヤマメ・イワナが連続的に釣れた。約一時間半ほどの出来事だったと思う。数だけで言えば、近年稀に見る爆釣だった。

当初入ろうと考えていた橋の上流からは魚の反応が極端に減った。

一時間ほどバイトがない時間が続いた。やはり川の両岸には木々が立ち並び、太陽光はあまり差さなかった。

渓相もほとんど変化がなく、緩やかな傾斜を水がゆっくり流れている場所が多かった。川底は主に砂で清流と言う雰囲気はなかった。

さらに釣り上がると樹木が途切れた場所が増えて、日差しの中にクモの巣が沢山張られており、朝日に蜘蛛の糸が輝いていた。

やはりクモの巣の数からすると、釣り人が少ないのは間違いなさそうだった。なのに、橋の下流部ほど魚が出ないのは、それなりには釣り人が入っているからだろう。

やっとあたりが出だした後も、連続して魚は釣れなかったが、パラパラと拾い釣りする事が出来た。それも型が良い魚が多かった。ヤマメとイワナが混じっていた。


さらに釣り上がると倒木が増えてきた。どこの渓流でも倒木は少なからずあるものだが、この川ではいつもの三倍位発生していた。

雑草が繁茂して河岸を歩けなくなってきており、川の中で倒木を直接乗り越えて行かなければならないことが増えた。

通り過ぎた倒木が十本を超えた頃だろうか、だんだんと疲れを感じてきた。

夏の午前10時を過ぎて、太陽は登り、気温が上がっていた。

蒸し暑い中で釣りを続ける。魚の反応はあった。ただ、それ以上に頻発する倒木を越えていく作業が体に堪えた。

16匹目の魚を釣り上げた時も、目の前には二箇所の倒木が見えていた。限界だった。

ここで釣りを止めて岸に向かい、木々の間に生えている雑草を薮こぎして、十分ほどかけて県道まで登った。

これからさらに気温は上がりそうだった。

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16匹も釣らせてもらった川だったが、後半の蜘蛛の巣と倒木と薮こぎのイメージが強過ぎて、もう二度とこの川には戻って来ないだろうな、と思った。

(202507)


明けましておめでとうございます。

旧年はご愛読いただき、ありがとうございました。

本年もご愛顧賜りますよう、よろしくお願いいたします。

(20260101)



# by rororon3rd | 2026-01-01 20:06 | トラウト釣行(東北地方) | Comments(0)

あの町の支流

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よく訪れる川を一山越えた先の盆地にその町はあった。スポーツ関連施設が充実している町でそこに行くと、なぜか気分が落ち着く、不思議な雰囲気のある田舎町だった。

町で大河は大きな支流と分かれており、支流をたどって上がって行くと人家が途切れた辺りから、道はダートになって奥深くまで続いていた。

ほぼ一車線のダートを走り続けると、突然木立の切れ間に駐車場が現れ、その横には伝承が残る滝があった。

秋なら数台の観光客の車が停まっているのだが、盛夏の7月下旬にここを訪れる人はいなかった。


駐車場に車を停め釣り支度をして川に向かった。

駐車場付近のダート道と川原の高さはかなり高低差があって、降りることの出来る場所がなかった。結局、1キロ以上下流に戻って以前入った場所から川に降りた。

昨年来た時は大量の水が流れていたが、今回は渇水時期にあたり水の量は半分程度になっていた。遡行する時に難儀したカーブも今回は簡単に瀬渡りすることが出来た。


魚の反応は全く無かったのかと訊かれれば、そんな事はなく、魚の戯れのような反応はあった。

小魚のバイトがフライを何回も襲った。しかし、鉤がかりしてくるようなものはおらず、半時間ほど釣り上がってようやく、最初の一匹目が釣れた。

特に目立つポイントらしいものがない、木々に覆われた流れの中から20センチ弱のヤマメが釣れた。

夏ヤマメらしくよく肥えていた。

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その後も滝に向かって釣り上った。時々、魚は釣れた。そういったことが2回ほど繰り返された。

大きな魚影は見えず、釣れるのは小型中型のものばかりだった。

太陽が昇り、気温が上がってきた頃、滝までたどり着いた。

滝の下に大きな淵があって、ちょっと期待したが1回出ただけだった。案の定、このバイトもかけ損なった。

ここで退渓して駐車場に戻った。

盆地は熱い空気に包まれており、これ以上釣りをする気力は失せていた。

あの町に戻ってコンビニでアイスコーヒーを買って休みたい、と思った。


昨年までは名前すら知らなかった山に囲まれた盆地の町で7月下旬の暑い日を過ごしていた。

202507



# by rororon3rd | 2025-12-29 20:23 | トラウト釣行(東北地方) | Comments(0)

2500キロの釣り旅

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時折、無性に遠くへ行きたくなる時がある。

以前関西に住んでいた時は特に何とも思わなかったのだが、関東に引っ越してからそちらの方に向かうとなると、かなり遠くて骨が折れる行事となった。

山陰の漁港を訪ねるのは初冬の恒例行事のようになっており、大抵はお気に入りの中国自動車道を夜走行するのだが、今回は日本海沿いをずっと西に進む経路をとった。

午後遅くに出発したので、北陸道のサービスエリアで寝たりして、最終的に到着したのは翌日の夕方近くだった。途中、朝方は雨が降っている地域があり、日本海が見える時は波が高く、沖の方まで濁りが広がっていた。

目的地の波止でも北西風が強く吹いており、着いた時はいつもは停まっている釣り人の車が一台もなかった。

流石に不安になって釣りをせずに、しばらく車の中でネットなどを見て待機していたのだが、30分ほどすると、若者のグループがやって来て、波止の先に向かって歩きだした。

これに勇気を得た私は、彼らの後について、波止に入った。

四方が堤防に囲まれている港内は、強い風が廻っており、基本的なエギングの所作は出来なかった。仕方がないので、ラインを張り気味にして餌木をアクションさせると、いきなり生き物の重みが加わった。

合わせた途端に、イカとは思えないような引きが、ロッドを通して手元に伝わってきた。

イカではなく魚がかかったようだ。

3秒ほどカンナにかかっていたのだが、すぐに魚はフックアウトした。餌木をピックアップしてみると、カンナの爪が二本外側に曲げられていた。

そんなに大きな魚だとは思えなかったが、餌木のカンナは想像以上に弱いらしく、簡単に伸ばされてしまったようだ。

青物が入って来ていることが分かったので、すぐにメタルバイブに交換した。

交換して五投目だった。リーリングしていたメタルバイブに魚がかかった。イカとは違う鋭い引きがエギングロッドを曲げた。

エギングロッドで釣る小型青物は面白い。

かなりロッドを曲げてくれるので、なんだか大物が釣れたような気分になる。

魚を上げてくると、30センチほどのツバス(関東ではワカシ)だった。一緒に何匹か群が付いて来たので、連発するかと思ってすぐにキャストしたのだが、2度目はなかった。

青物の気配が消えたので、諦めて、また餌木を付けてキャストした。

午後5時を廻った頃に、波止は暗闇に包まれた。この夕まずめの時合にもイカの反応はなかった。

午後6時頃、諦めて本日の釣りを終えた。


翌日は午前6時に同じ波止に入った。

今日は昨日より風がだいぶ治っていた。釣り人も多く10人近く来ており、既に釣りを開始していた。

イカ釣りというより、青物をカゴ釣りで狙っているような人が多かった。

私は早い時間帯はエギングをしたのだが、反応はなく、途中からルアーロットに持ち替えてジグをシャクっていたのだが、これにも全く反応はなかった。

午前8時になると殆どの釣り人は帰っていた。

空は曇っており、午後からは雨の予報だった。明日も雨の予定である。

山陰の海は諦めて、瀬戸内海側に大きく移動することにした。

紅葉真っ只中の中国山地を走って、瀬戸内側に出た。

夕方、瀬戸内側の小さな港で餌木を投げたが、これにも全く反応がなかった。

今思い返すとこの時期、瀬戸内海ではイカの気配は全くなかった。


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翌朝、離島に渡るフェリーに乗り込んだ。

午前6時発の始発に乗り、目的の島までは半時間ほどで到着した。

島に降りると風は弱く、雨の心配もなさそうだったので、釣りは普通に楽しめそうだった。

事前に狙いをつけていた港の先端に入り、餌木を投げ始めた。

向かいのフェリー桟橋の上で、二人の老人がサビキ釣りをして何か釣り上げていた。アジでも釣っているのかと思っていた。

餌木をキャストし続けていると、港の奥側でボイルが発生した。

ダイソーのジグヘッドワームに交換して探ると、バイトがあった。

最初こそ抵抗する力が強かったが、すぐに力を無くして魚は上がってきた。

30センチほどの痩せた鯖だった。久しぶりの鯖だったので、鯖でも嬉しかった。

その後、もう一度鯖が釣れたが、離島での釣りもそれが最後の釣果だった。

正午まで釣り続けたのだが、結局イカからは全く反応がなく、それ以外の魚の反応も得ることは出来なかった。


正午過ぎの便で戻って、翌日観光するつもりの岡山に向かった。

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岡山では遺跡を巡り、その翌日(最終日)、北陸の港に早朝入った。

二週間前にアオリイカを釣った波止だった。

既に釣り人が三人いたが、先の方に入らせてもらって、キャストすると二投目でアオリイカが釣れた。

またもや午前6時前の、薄暗い中でのヒットだった。

私を入れてくれたエギンガーは自らが釣れていないのに、後から来た私が釣ったことに苦笑いしていた。私も嬉しい反面、居心地の悪さを感じていた。

しかし、その後は誰も反応は得られず、午前8時に私はひと足先に釣りを終えた。


最後にアオリイカが釣れたので、なんとなくこの釣り旅行も形になったような気がした。目的もなくロングドライブをして、準備不足のまま適当な釣りをするものだから、例年の釣行ではまともに釣れたことがない。

今回も良い目会った、と言えるほどの釣果には恵まれなかったが、魚の姿は見ることが出来たので、件の釣行の中でも幸運な釣り旅となった。

(202511)



# by rororon3rd | 2025-12-22 21:17 | ソルトルアー | Comments(0)

好ポイントは真夏の午後

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渓流釣りで私にはとっておきのポイントが二つある。どちらも渓相が良く、釣り人は割合少なくて、魚影の濃い川である。

大体、私が知ってる程度の好ポイントなので、単純にそこへ行く道程はかなり遠い。釣り人のポイント探しの盲点にあるとか、昔養魚場があって逃げ出した魚が人知れず繁栄しているとかいう、複雑な要因は全くない。シンプルに遠いから良い条件が残っている場所に過ぎない。

例えば新潟県で釣るとして、そのとっておきのポイントは、新潟県の中でも、一番端の方にある。埼玉県から行くのが一番遠い位置である。新潟市民でも気合を入れないと辿り着けない遠距離だろう。

今回は岩手県のとっておきのポイントに向かった。ここも車で高速を使って行っても10時間近くかかる釣り場である。高速を降りてからもかなり時間がかかるが、その川の流域に行けば、渓流釣りをしている人の数はぐっと少なくなる。

みんな知らないというより、遠いのであまり行かないというのが実態だろう。


7月の下旬、普通なら渓流釣りは諦めてしまうような暑さとアブ等の吸血羽虫が湧いている中、釣りを開始した。

雲が多かったせいか、真夏だというのに少し涼しかった。吸血羽虫の数も少ないような気がした。

ただ、水量は他の川に劣らず、かなり落ちており、渇水状況である事は一目瞭然だった。

渇水状況と解禁からの釣り人のプレッシャーによって、渓魚はかなりスレているようだった。

緩やかな淵にいる魚は、フライラインが上を通っただけで、逃げて行く。

石が入っている瀬の中では魚の反応はあるが、フライを咥えてくれるような魚はなかなかいなかった。時折、フライを触ってきた場合も、素早く身を躱すので、私の緩慢なフッキングではフックアップすることが困難だった。

それでも夏の午後の谷を登り続けると、瀬の中からヤマメの深いバイトがあった。

ネットで掬ってみると、全長は20センチそこそこながら幅の広いヤマメだった。

ただ、フライは口にはかかっておらず、体の側面に刺さっていた。

瀬の中でフライに寄って来て、偽物と見破って身を躱したのだが、たまたま私のフッキングと重なって、運悪くスレがかりしたのだろう。それほど昼下がりの魚はナーバスになっていた。

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釣り開始から1時間経過して、時刻が午後1時半を廻った頃、魚の活性が高くなったような気がした。明らかにフライに触ってくる魚が多くなった。

それでも私の鈍いフッキングでは、なかなかフックアップすることが出来ず、魚をバラし続けていた。

釣り上がる予定の行程の半分を過ぎた頃から、パラパラと魚が釣れるようになってきた。

イワナもいる谷なのだが、釣れてくる魚は全てヤマメだった。水温が上がる今時期は、イワナの活性が著しく低いのだろう。反面、喰ってくるヤマメは小さい魚でも驚くほど力強く引いた。

夏ヤマメは力が強いと聞いたことがあったが、これほど実感した事はなかった。一度などヤマメに縦横に走り廻られて、どんな大物がかかったのか、と思ったのだが、釣り上げてみると20センチに足りないようなヤマメだった。それでも引きは弾丸のように強かった。


今回は通常より釣れていないような気がしたが、数が伸びない中で突然現れる強烈なバイト、そしてフックアップすれば弾丸のように泳ぎ廻る魚との駆け引きは大変面白かった。

夏の枯れかけた谷だったが、木々に覆われたその流れは、未だ渓流魚たちのパラダイスだった。

(202507)





# by rororon3rd | 2025-12-15 20:43 | トラウト釣行(東北地方) | Comments(0)